苦しくて立ち止りたくても、止まったら終っちゃうような気がして。


ただやみくもに走り続けるだけ。



――――無我夢中



その言葉がシュウさんとの付き合い方のスタンスだった。



今までも。


今も。



「ケイちゃんのその気持ち……シュウにちゃんと話しなよ」


「――――え……?」


「相手……シュウでしょ?」



アヤ先輩の手は止まらず頭を撫でたままで。



その問いかけに体が固まる。


その時、ふと笑うような溜め息が聞こえた。



「途中で気付いた。ってかさ、ケイちゃんの悩み作ったの私だよね?」



ゴメンと続いたアヤ先輩の言葉。