「どこ行くんです?」


「んー?昨日は居酒屋で失敗したし」



鞄を開いた先輩は1枚の紙切れを差し出してきた。


どうやら雑誌の切り抜きらしいそれはクーポン券。



って……



「カラオケ……ですか?」


「そうそう。こうさ、うっぷんが溜まった時は大声出して発散しなきゃね」



ニカッと笑うアヤ先輩にどうしても引きつってしまう。



カラオケ……


苦手……



どうやら駅前のカラオケボックスらしく、いつもなら左へ曲がる道を右へ。


そして少し歩いたところにあったお店に入る。


平日とあって待ち時間なくすんなりと部屋へ案内された。