次の瞬間少しだけ。


ほんの少しだけ……複雑な表情を浮かべていた。



「……どうなってるんだろ?」


「え?」


「あっ、まっね。シュウも彼女出来たって言ってたしさ。まぁいいか」



そう言った時はすでにいつもの先輩で。


でも、思わず尋ねずにはいられなかった。



「どうしてシュウさんが……」



出てくるんですか?とは言えなかった。



「えっ?どうしたの、ケイちゃん」





自分でも分からなかった。





ポタポタと机の上に落ちるものを見ても。


どうして涙を流してるのか。


どうして泣いているのか……