だけど、まさか元カノの事とは思わないのか、表情はどこか戸惑っている。
そんなシュウさんに出かかった本音を飲みこむ。
そして、心にもない事を口にする。
「そろそろ出かけるんでしょ?」
「あっ、そうだな」
「着替えるんでしょ?私もメイクだけ軽く直すから」
「分かった」
シュウさんが奥の部屋に消えたのを確認して、鞄からポーチを取り出す。
洗面所でかるくファンデをはたく。
その手が震える。
「行くな……」
それは無意識に零れ出た本音。
行って欲しくない。
行かないで欲しい。
会わないで。
会わないで欲しい。

