「ちゃんと話しておいでよ」 「はい」 「あれだったらうちにおいで?」 「はい。ありがとうございます」 金曜日 定時で仕事を切り上げた私は、アヤ先輩からの言葉に、力強く頷いた。 駅まで走って電車に飛び乗る。 向かうのはここから20分程かかるシュウさんの会社。 営業のシュウさんは私よりも帰りが遅い。 それは今までの付き合いで分かってる事実。 はやる気持ちを押さえて深呼吸した。 ――――向かい合う…… 決めたんだ。 シュウさんと話そうって。 もう…… 自分を作るのは止めようって……