学校に着き、私はお兄ちゃんの教室へと向かった。



「お兄ちゃん!」



窓際の席に愛斗と座ってる。



「どうした?」



眠そうな目で私を見上げて来る。

愛斗は私を睨んでから、外に視線を逸らした。

全てを、知ってるからね。



「お弁当、届けに来たよ!」



でも、それも憂紀が悪いの。

私は悪くなんかないんだよ。



「あー、それ良いや。憂紀が作ってくれたし」



…“憂紀が作ってくれた”?



「へぇー…」



あの女。

“関わるな”って言ったの、わかってないんだ。