「…あっ」



「あ、憂紀ちゃん!」



私の顔を見て、ニカッと眩しい笑顔を見せてくれた琉聖のお母さん。

おじさんは「琉聖がお世話になってます」と、母親に頭を下げた。



「こちらこそ、ご挨拶もせずに。
琉聖君、さっき帰ってしまって、寂しくなりました」



「…憂愛さん、琉聖、帰って来てないよ?」



母親のセリフに、おばさんは“何を言ってるの?”と、言わんばかりの顔。



「嘘…1時間前にうちを出ましたよ」



…琉聖が居ない?

家に帰らず、どこに行くのだろう。

…寄り道?

たまり場にでも、行ったのだろうか。



「愛斗は主人と出掛けてるし…」



母親は私と同じ事を考えてるようだ。