私はここの家族として連れて来られた時から、お兄ちゃんが好き。

2才の私と、4才のお兄ちゃん。

手を繋いで散歩したり、一緒のお布団で眠ったり、楽しかった。

お兄ちゃんが、中学に上がるまでは―――。

高瀬愛斗に仲良くなってから、お兄ちゃんは私をあまり相手にしなくなった。

“遊ぼ!”って言っても、“愛斗と憂紀と約束してるから”って、出掛けてしまう。

一緒に連れて行って貰っても、誰も私を相手にしない。

お兄ちゃんは、憂紀ばかりを相手にするんだ。

それを見て決めたんだ。

あの女から、離そうって――…。