「人として、間違ってると思わなかったか?」



「全然。むしろ足りないわよ」



こいつはどこまで人が変わってしまったのだろう。

俺の知ってる夕姫ではない。

ニヤリと笑い、鉄柵の向こうに広がる景色を眺めてる夕姫。

俺は初めて、女に手を上げた。



「…ッ…、何するのよ!!」



「何も悪くない人を傷付けて楽しいか?お前、同じ女ならわかるだろッ!!」



腐ってるととも思った。

同じ人間にすら思えなかった。

何がこいつを変えたのか。

それはきっと、俺以外にも、原因はある。