おじさんは憂紀に微笑んでから、おばさんを見た。



「琉聖君は、本当に悪くないの。
親として最初は複雑だったのは確か。でも、私たちは憂紀の気持ちを大切にするって決めたから」



話をあまり理解しきれず、頷かない俺に、愛斗は「鈍感やな」と、豪快にビールを呑みながら言う。



「それが琉聖なんやろ」



「琉聖もビール呑むなら持って来るよ?」



「…貰うかな」



「持って来る。だから、もう自分を責めないでね」



憂紀は「よいしょ」と立ち上がり、キッチンへと行く。

俺はおじさんとおばさんに頭を下げた。