「これ、母子手帳?」



シーンとした中、琉聖が母子手帳を広げた。

私が奪おうとすると、ヒョイッと持ち上げられてしまう。

180センチと長身のせいで、届かなくなってしまう。



「可愛いな…。ここが顔だよな?」



「うん…」



琉聖はエコー写真を見つめて口を閉ざす。

父親をチラッと見れば、鞄とジャケットを母親に渡してる。



「この子は、俺が守る――…」



「…え?」



…何て、言った?



「この子を、俺に守らせて欲しい」



「何を言ってるの?」



無理に決まってるじゃない。