「憂紀、人様に失礼やろ!」



父親が少し怒りながら来た。

私は無視してソファーに座る。

ちゃんと私になりに丁重に断った。

何も失礼な事はしてない。



「憂紀ッ!!」



「私の気持ちは誰にもわからないよ――っ!!
誰かが上戸の事を話したり、悔やんだりする度に、赤ちゃんが嫌いになる。でも、産むって決めたからには、嫌いになりたくない!父親が居ないからには、私だけでも愛してあげたいのッ!!」



「憂紀…」



こんなにも感情的になったのは初めてで、父親はかなり驚いてる。

私はジワジワと溢れ出した涙を堪える為に、天井を見上げた。