「っ!」
小夜が足元の石に躓いて転倒した!
ここは渓流すぐそば、多くの石が転がっている。
歩くのも少々難しいような場所だ。
後ずさりの最中に転倒するのも無理はなかった。
しかし結果として。
「きゃああああっ!」
芽々や小夜が思わず悲鳴を上げてしまうような、耳をつんざくほどの咆哮を上げる熊。
大きく開いた口の中に、長く鋭い牙が見えた。
前脚を振り上げた際には、鋭利な爪も確認できた。
あんなもので襲われたら、人間など一溜まりもない。
「し、死んだふりっ…」
混乱した芽々がその場に横たわろうとするが。
「止しな」
木刀で芽々を庇うように。
宜虎が熊との間に割って入った。
小夜が足元の石に躓いて転倒した!
ここは渓流すぐそば、多くの石が転がっている。
歩くのも少々難しいような場所だ。
後ずさりの最中に転倒するのも無理はなかった。
しかし結果として。
「きゃああああっ!」
芽々や小夜が思わず悲鳴を上げてしまうような、耳をつんざくほどの咆哮を上げる熊。
大きく開いた口の中に、長く鋭い牙が見えた。
前脚を振り上げた際には、鋭利な爪も確認できた。
あんなもので襲われたら、人間など一溜まりもない。
「し、死んだふりっ…」
混乱した芽々がその場に横たわろうとするが。
「止しな」
木刀で芽々を庇うように。
宜虎が熊との間に割って入った。


