(どうすればいいのかな。)

陽は夜道を歩きながら、一人悩む。

母子家庭で育ってきた為に、女手ひとつで自分達を育ててくれた

母親には恩返しをしたいし、できるなら双子の妹とも仲良くしたい。

母親は芸能活動の事を応援してくれているし、

できるだけ期待に応えたいと思っている。

しかし、そのせいでことりに嫌われているのだ。

しかも今、「スカイ」のグループ内の雰囲気もあまり良くない。

「・・・ハァ。」

無意識に陽はため息をついた。







ププー、

ぼうっとしていたせいか、

背後から迫ってくるトラックのクラクションの音が聞こえなかった。


ふらふらとした足取りで、陽は歩く。


ゴオオオ、

キキィ!

急ブレーキの音が響き、この時やっと気づいた。

陽はばっと振り向き、大きく目を見開く。

目の前には大型トラック。

どうすることもできない。


「っ!」

どん、

体に強い衝撃を受け、

陽の体は宙に舞い、地面に強く叩きつけられた。

激痛を感じる間もなく、

陽は意識を手放した。