男装少女-兄の代わりになった双子の妹の物語-



昨日の午後7時は、本屋にいた。

なのになぜあんな一面が撮られたのかわからない。

ましてや彩乃とホテルなんて行くはずがない。

先ほど交換したアドレスに、メールを送ることにした。

''今日の新聞の事で、聞きたいことあるんだけど。''

するとすぐに返信が来る。

''今日の昼休みに、屋上で話そう''

それを見て、昼休みに話す事に決めた。

一年の教室には行かずにクラスに戻ると、

女子生徒達が集まってくる。

「森山さん!なんで戻ってくるのよ!」

「昼休みに話す事になったから。」

戸惑いがちになんとかそういえば、納得いかない表情を見せたが

渋々と言った感じで了承してくれた。



「奥村彩乃が、もし陽君と付き合ってるなら

ただじゃおかないわ。」

「ねえ、森山さん。家で陽から何も聞いてないの?」

苛めの対象が、明らかに自分から一年の彩乃に変わろうとしている。

瞳が揺らいだ。

「き、聞いてないよ...昨日は、あ、会ってないから..。」

不自然にドモってしまう。

「ふ~ん...ま、昼休みにわかることだしね。」

女子生徒はことりに笑顔を向けて、自分の席に戻っていった。

「っ...はぁ。」

ほっとしてため息をつけば、予鈴がなる。

ことりは自分の席につくと、教師にバレないように

鞄の中からダンスレッスンの本を取り出すと復習し始めた。