ぐぅうう、
「...お腹すいた。」
時計を見れば、すでに0時をすぎていた。
そういえば晩御飯、食べてなかったな。と思い
リビングへと向かう。
ふとテーブルに目を向ければ、ことりの分の晩御飯がラップされて
置かれていた。
『ことり、無理しないでね。』
紙に、そう一言書かれていた。
母親の文字に心が温かくなる。
「・・・。」
もしかして、母親は陽だけを見ていたんじゃないかもしれない。
いつも気づかれないよう、影で努力する陽に気づいて
心配していただけだったのかも、と思う。
もしそうだったなら、自分は大馬鹿だ。
何も知らずに、まわりにあたり散らしていただけだった。
自分は、何も知らない子供だった。
「、っ」
ことりは椅子に座ると、ラップをとり遅めの晩御飯を食べ始めた。
(食べ終わったら、また頑張ろう。
もう少し練習すれば、あのステップができるようになるし...。)
少しずつ、ことりは変わり始めていた。
*
チュン、チュン、
小鳥の囀りが聞こえ、朝日が差し込む。
「...あ。」
気づけば朝になっていた。
練習に夢中で、全く気が付かなかった。
寝ていないせいで、頭が重くぼんやりしている。
ぼうっと時計を見れば7時30分。
「っ、学校!」
ハッと思いだし、ことりは急いで風呂へ向かうと入る。
風呂から上がると、バタバタと用意をし始めた。


