男装少女-兄の代わりになった双子の妹の物語-



通話が終わり、携帯を陽に返した。

「ことり、大丈夫か?」

「う、うん。」

彼女の潤んだ瞳を見て、陽は心配そうな表情を見せた後に気にするなと言った。

「郁は郁で、自分の答え見つけたんだろ。

ことりは何も気にしなくていいよ。」

「...ありがとう。」

「うん...って、柚希と南からメール来てる。」

「なんて?」

「ことりに伝言だってさ。

明後日の朝7時にテレビ見てろって。」

皆考える事は同じなんだな、と言う陽。

ますます訳がわからない。


「愛されてるな、お前。」


「...意味、わかんない。」


どうしてスカイのメンバー全員が、私に言ってくるのだろう。

「お前なら大丈夫だよ。」

「...。」


明後日、何があるのか気になる。

けれど聞いても教えてくれないだろう。

「ハァ...。」

ことりは二度目のため息をついた。





腹減った、と夕飯に手を付け始める陽。

野菜炒めを口に含んだとき、苦いと呟いた兄を見て思わず笑った。