ぐぅううう、
「「・・・。」」
再び腹が鳴った。
ことりは頬を赤く染める。
「と、とりあえず昼ごはんにしない?」
「そ、そうだな。」
また後で解決策を考える事にして、二人はその場に座り込んだ。
先ほど購買で買ったパンを食べはじめる。
「てかさ、陽、何か恨み買われるようなことしたのかよ。」
南は先ほどの女子生徒の言葉を思い出したらしい。
パンを頬張りながら問いかけた。
「してないよ!」
自分が男装する前に、陽が何かしていたのなら話は別だが
兄の性格上人に恨みを買われるような行動はしないはずだ。
「どーだか。陽にはファンがいっぱいいるしな!」
まただ、南は少しだけ冷たい視線を自分に向ける。
ことりは食べかけのパンを置くとばっと立ち上がった。
「陽?」
「ここから、出る。」
「どうやって?」
「わかんない。」
「お前なぁ。」
呆れたような表情をした南の方は向かずに、鍵がかかっている扉の前に行くとなんとかして扉を開けようとするが無駄だった。
ガチャガチャと音がなるだけでビクともしない。
「どうせ無理だって!」
「南は、いっつもそうじゃん!」
「は?」
ことりはばっと振り返り、彼に鋭い視線を向けた。
急に声を張り上げた事に驚いているとことりは自分の前まで歩いてくる。
「俺に嫉妬してるヒマあるなら努力しなよ!」
「っ、意味わかんねー!なんで急にそうなるんだよ!」


