「えっ…?」

兄さんの言葉を理解するのに、時間がかかりました。

その言葉の意味は、ジワジワと心に冷たく沁み渡ります。

「…っ! 何でそんなことを言うの?」

洗っていたお皿をぎゅっと握りしめ、お母さんは辛そうに俯きました。

「理由は分かっているはずだ。もういい加減にした方がいい」

「やめてっ!」

お母さんはお皿を手放し、両耳を塞いでしまいます。

「言わないで! どうしてもっ…作ってしまうんだから、しょうがないでしょう!」

「母さん…」

その場で蹲ってしまうお母さんと、立ち尽くす兄さん。

騒ぎを聞きつけ、お父さんと妹がリビングに駆けつけてきました。

わたしは居た堪れなくなって、家を飛び出してしまいました。

兄さんがあんなことを言い出すなんて…わたし、何かしたんでしょうか?