にっこり笑う勇気に、 めまいを感じた。 何も知らない勇気が、 悪魔に見えた。 「……ありがと」 あたしはそれだけ言うと 床に座りこんだ。 あたしが出会った男は、 あたしが助けてもらった男は、 ヤクザで、しかも若頭だった。