 準々決勝 


和紀には勢いがあった!それはまるでじゃんけんの神様が、背後で導いてくれている様だった!和紀は頬を軽くつねり、自分の存在を確かめた!

準々決勝の相手は、いかにも屈強そうな青い目の外国人男性だった!
海外にもじゃんけんが精通しているのかどうかは解らないが、その風貌やお辞儀の仕方からして、かなりの日本びいきな感じがしていた!
彼のプロフィールを据え置きのパソコンでチェックすると、出身はオーストリアで年齢は24歳、そして登録ネームは、‘和の心’さんとなっていた!

その蓄えた髭と、180センチを軽く越える身長からは、実際よりも10歳以上落ち着いて見えていた!
おそらく向こうも日本人を見てそう思うのだろうが、どうも外国人の年齢はよく解らない!


先程までの戦い方を見ると、確かに迫力があり、気圧されそうな雰囲気を持っていたが、相手のペースにさえはまらなければ何とかなりそうな気がした!



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     決定

(2回あいこを続け、3回目は強制的に負け!タイムスリップ後は、2回あいこを続け、3回目は強制的に勝ち!)



(タイムスリップしない)

彼のお辞儀はやはり見事だった。
負けた和紀に対して、深々と頭(こうべ)をたれた。
礼に始まり、礼に終わるという日本人ならではの美しい和の心を、外国人に教わった気がした!

そして、じゃんけんゲームはここで終わりを告げた。
せめてあともう一回チャンスがあれば…和紀はルール上、ありえない事を神様に願った…



しかし、そんなに都合の良い話がある訳がなかった。和紀は東京ドームの回転扉に押し出された時、名残惜しさに思わず振り返った。
そしてその回転扉が回る度に何度も写し出される茫然とした自分の姿を見た時、自分が自分ではなかったような奇妙な感覚にとらわれた!





FIN