一生懸命でした。




あともう少し。

もう少しで犯人が分かる。

あの人が犯人かな。

いや、でも、あの人が犯人だったら、アリバイの説明がつかない。

そんなことを考えながら、1ページ1ページめくっていく度に、緊張が身体を走る。


「おはよう!!」


ポンと肩を叩かれて、ビクッと現実の世界に戻ってきた。


「…愛羅、おはよう」


そういえば朝だった。

そういえば学校だった。

全てを忘れて、本の世界に没頭していた。


「何読んでたの?」

「『死界の森の死者』ってやつ」

「何それ…。
怖そうだね…」

「そう??面白いよ」

「へー…。
今度貸してね…」

「うん!!」

「アハハハハ!!!
笹本、引きまくってんじゃん!!」

「修斗くん!!」


窓から差している太陽の光を浴びた修斗くんは神様のようだった。

ワタシは神様を見たことがないから、どんななのかは分からないけれど、神様は絶対にいる。

1%でもいないって思った時点で、神様という存在はいなくなるのだ。

自分がいるって思えば、いるのだろうし、いないって思えば、いないのだろう。

だから、いつでも自分の心には、正直でないと駄目だ。