「でも、両親は、天国から見守ってくれてるって思うと頑張れるんだ」
天国から見守られている。
両親って呼べる存在がいるだけで羨ましい。
「千菜、これからよろしくね!!」
「うん」
素直に返事が出来ない自分がいるのに気付いていた。
でも、どうすることも出来ない。
事実なんだから仕方がない。
「大丈夫」
「え…?」
「あいつは、いい奴だと思う」
「何で分かるの?」
「目が他の奴らとは違った」
目……?
目なんて、じっくり見なかった。
「あいつは、最初から最後まで、ちゃんと千菜を見てた。
一度もそらさなかった。
それは、千菜に対して、本気ってことだと思うよ」
本気。
「信じてみなよ、あいつのこと」
信じる。
そうだよ。
ワタシ、変わるんでしょ?
諦めないんでしょ?
「愛羅のこと、信じる」
「うん」


