「う〜…ん、これといって理由は無いんだけど、千菜が1番キラキラしていたからかな」
「キラキラ!?」
キラキラだなんて、初めて言われて、とても驚いてしまった。
だって、周りには、もっとキラキラしている人、たくさんいるのに。
「キラキラって言っても、普通のキラキラじゃなくて、千菜は心がキラキラしてるって思ったの」
「心が…?」
「うん。
周りのみんなは見た目、とてもキラキラしてるでしょ?
でも千菜は心がキラキラしてる」
心がキラキラって…。
よく分からなかった。
そんなこと、初めて言われた。
それに、正直、信じられなかった。
話したことも無ければ、会ったことも無いのに、いきなり心がキラキラしてるって言われても、嘘にしか聞こえない。
愛羅にワタシの何が分かるっていうの。
話しかけてもらったのに、こういうことしか考えられない自分が悔しくて悔しくて、仕方がなかった。
「ワタシね、親いないの」
「え…?」
親がいない…。
その言葉にドクッと胸が動いた。
他人(ひと)のことなのに、自分に言われているようだった。
「小さい頃に、事故で2人ともいなくなっちゃったんだ」
とても辛いことを言っているのに、軽々しい口調で話している。
彼女には、どこか重い空気が乗っかっていた。


