「だから、うるせぇっつってんだよ」
完全に亮二は苛立っていた。
彼にもわかっているはずなのに。
「今を逃すと、もう会えなくなりますよ」
「そうっすよ、亮二さん。最後にちゃんとケリをつけましょうよ」
「しつこいぞ、おまえら」
「博子さんだって、このままで納得するわけないっすよ」
亮二は険しい顔つきで、煙草を一本取り出した。
しかし、それを口にくわえたものの火をつけようとはしない。
「もう会えないんでしょ?
総長のところに行ったら、なおさら無理っしょ?博子さんにも迷惑かかるだろうし。
でもまだ今なら間に合うと思うんすよ。最後はちゃんとシメなきゃ。亮二さん、よく俺たちに言うじゃないっすか。男なら、一度手につけた事は、最後の最後まで責任持ってケリつけろって。言うだけで、自分が実行しないのはズルくないっすか?それに、このままじゃ前と同じことになっちゃいますよ。ガキん時、後悔したんでしょ?」
直人も頷く。
「俺も浩介の意見に賛成です」
「……」
「さよならって言ってあげなきゃ、博子さんの気持ちだって、またその時の繰り返しになっちまう。俺はね女と別れる時、最後に絶対言うんですよ。こうなっちゃったけど、俺はおまえが好きだった、さようなら…って。
絶対に言うんです。
そうしなきゃ、納得してお互い前に進めないっしょ?」
「……」
「俺が博子さんを絶対に連れてきますから!」
「…浩介」
「俺、亮二さんにはもっと上に行ってほしいんです。だから立ち止まってほしくないんすよ。博子さんに会って、ちゃんとケリつけてあげてください、その気持ちに。ずっと後悔して悩む兄貴は、らしくないし見たくないんすよ、俺」
「浩介の言う通りです。
それが亮二さんのためにもなるんじゃないですか?」
時計に目をやると、午後3時になろうとしていた。
彼は、火のついていない煙草をゆっくりテーブルに置く。
「警察が俺に目をつけているはずだ。
あいつらは今回の県職員への贈賄の件とからめて、この圭条会を落とそうとしている。
もうマンションの下で張ってるかもな。
そんな状況であいつと会ってみろ、どうなる?あいつは旦那のところに戻ったんだ、そんなことできるわけねぇだろ。それに林さんの監視もついているかもしれねぇ」
「任せてください、警察は俺がまきます」
直人が言った。
「林さんの手下は俺がなんとか…まけると思います」と浩介。
亮二は二人の顔を順に見つめる。
一様に真剣な顔つきで、決して自分から目をそらさない。
彼は噴き出した。
「相変わらずバカなやつらだ」
そう言ってテーブルに転がった煙草に手を伸ばし、火をつけた。
完全に亮二は苛立っていた。
彼にもわかっているはずなのに。
「今を逃すと、もう会えなくなりますよ」
「そうっすよ、亮二さん。最後にちゃんとケリをつけましょうよ」
「しつこいぞ、おまえら」
「博子さんだって、このままで納得するわけないっすよ」
亮二は険しい顔つきで、煙草を一本取り出した。
しかし、それを口にくわえたものの火をつけようとはしない。
「もう会えないんでしょ?
総長のところに行ったら、なおさら無理っしょ?博子さんにも迷惑かかるだろうし。
でもまだ今なら間に合うと思うんすよ。最後はちゃんとシメなきゃ。亮二さん、よく俺たちに言うじゃないっすか。男なら、一度手につけた事は、最後の最後まで責任持ってケリつけろって。言うだけで、自分が実行しないのはズルくないっすか?それに、このままじゃ前と同じことになっちゃいますよ。ガキん時、後悔したんでしょ?」
直人も頷く。
「俺も浩介の意見に賛成です」
「……」
「さよならって言ってあげなきゃ、博子さんの気持ちだって、またその時の繰り返しになっちまう。俺はね女と別れる時、最後に絶対言うんですよ。こうなっちゃったけど、俺はおまえが好きだった、さようなら…って。
絶対に言うんです。
そうしなきゃ、納得してお互い前に進めないっしょ?」
「……」
「俺が博子さんを絶対に連れてきますから!」
「…浩介」
「俺、亮二さんにはもっと上に行ってほしいんです。だから立ち止まってほしくないんすよ。博子さんに会って、ちゃんとケリつけてあげてください、その気持ちに。ずっと後悔して悩む兄貴は、らしくないし見たくないんすよ、俺」
「浩介の言う通りです。
それが亮二さんのためにもなるんじゃないですか?」
時計に目をやると、午後3時になろうとしていた。
彼は、火のついていない煙草をゆっくりテーブルに置く。
「警察が俺に目をつけているはずだ。
あいつらは今回の県職員への贈賄の件とからめて、この圭条会を落とそうとしている。
もうマンションの下で張ってるかもな。
そんな状況であいつと会ってみろ、どうなる?あいつは旦那のところに戻ったんだ、そんなことできるわけねぇだろ。それに林さんの監視もついているかもしれねぇ」
「任せてください、警察は俺がまきます」
直人が言った。
「林さんの手下は俺がなんとか…まけると思います」と浩介。
亮二は二人の顔を順に見つめる。
一様に真剣な顔つきで、決して自分から目をそらさない。
彼は噴き出した。
「相変わらずバカなやつらだ」
そう言ってテーブルに転がった煙草に手を伸ばし、火をつけた。


