亮二は昔から言葉にできない博子の気持ちを汲み取ってくれた。
ぶっきらぼうで口は悪かったが、優しさは十分に伝わってきた。
つい最近会っていても、それは変わらなかったのに。
自分たちには男女の関係を超えた、深い絆があると思っていたのに。
「もう会わない方がいいのよ、きっと」
「なんで?本心が気になるんでしょ?」
「このまま終わらせた方がいいのよ。私には達也さんがいるんだから…」
「達也先輩はまだ知らないんでしょ、会ってること」
暗い顔で博子は頷いた。
言えるはずもなかった。
暴力団幹部と会ってるなんて。
「でも、私の様子が変だってことには薄々気付いてるみたい」
「博子、嘘が下手だもんね。ねぇ、もし、どちらかをとらなきゃいけないってなったら、どっちを選ぶの?」
「いじわるな質問よね。正直わからない…。達也さんのことも大切に思ってる。あの人がそばにいると、包み込んでくれるようですごく安心できて…私のことを一生懸命大切にしてくれて。私って幸せだなぁって、つくづく思うの。
逆に新明くんといると、あの頃に戻ったみたいで嬉しくなるのよ。だけど、なぜか不安で。
先の見えない関係だから。あんなことがあった今でも、やっぱり会いたいって思っちゃう自分がどこかにいるの。最低よね、私」
ふんふんと頷いて聞いていた真梨子が、ポンッと手をたたいた。
「わかった!
あんたと新明先輩って、お互い少し距離をおこうって思うから、余計に燃えるんじゃない?
ほら、子どもって、ダメって言われると余計執着するじゃない。そんな感じよ」
博子は頬杖をついた。
「執着、ねぇ…」
亮二に対する想いは、真梨子の言う通り執着なのだろうか。
実らなかった恋だから?
途切れた恋だから?
もう彼を手に入れられないから?
ぶっきらぼうで口は悪かったが、優しさは十分に伝わってきた。
つい最近会っていても、それは変わらなかったのに。
自分たちには男女の関係を超えた、深い絆があると思っていたのに。
「もう会わない方がいいのよ、きっと」
「なんで?本心が気になるんでしょ?」
「このまま終わらせた方がいいのよ。私には達也さんがいるんだから…」
「達也先輩はまだ知らないんでしょ、会ってること」
暗い顔で博子は頷いた。
言えるはずもなかった。
暴力団幹部と会ってるなんて。
「でも、私の様子が変だってことには薄々気付いてるみたい」
「博子、嘘が下手だもんね。ねぇ、もし、どちらかをとらなきゃいけないってなったら、どっちを選ぶの?」
「いじわるな質問よね。正直わからない…。達也さんのことも大切に思ってる。あの人がそばにいると、包み込んでくれるようですごく安心できて…私のことを一生懸命大切にしてくれて。私って幸せだなぁって、つくづく思うの。
逆に新明くんといると、あの頃に戻ったみたいで嬉しくなるのよ。だけど、なぜか不安で。
先の見えない関係だから。あんなことがあった今でも、やっぱり会いたいって思っちゃう自分がどこかにいるの。最低よね、私」
ふんふんと頷いて聞いていた真梨子が、ポンッと手をたたいた。
「わかった!
あんたと新明先輩って、お互い少し距離をおこうって思うから、余計に燃えるんじゃない?
ほら、子どもって、ダメって言われると余計執着するじゃない。そんな感じよ」
博子は頬杖をついた。
「執着、ねぇ…」
亮二に対する想いは、真梨子の言う通り執着なのだろうか。
実らなかった恋だから?
途切れた恋だから?
もう彼を手に入れられないから?


