「それにしてもさ博子、恋愛経験なさすぎ。結婚早くしすぎたんじゃない?色恋沙汰ってのがわかってないもん」
「そう?」
「そうよ。もっといろんな男を経験すべきだったのよ。世の中にはもっといい男がいっぱいいるんだから」
「やだ、そんな言い方やめてよ」
博子は笑うと、コーヒーをすする。
「博子さぁ、達也先輩が初めての人でしょ?」
うつむく博子に真梨子は小声で言った。
「いまどき珍しいよね、初体験の相手と結婚するなんて」
「別に悪いことじゃないと思うけど」
少しムッとした表情で言い返す。
真梨子は、まぁまぁとなだめるかのようにうなずくと、手土産に持ってきたマカロンを一つ口に放り込んだ。
「ま、話がちょっとそれたけど、要は新明先輩だって男なんだから、そういう関係になりたいって思うのは当然じゃない?ってことよ」
「私結婚してるのに?」
「あ~これだから恋愛経験の少ない子は!」
真梨子は頭をかきむしった。
「そもそも、倫理観のある人なら暴力団なんかには入ってないわよ。あのルックスだと言い寄ってくる女もたくさんいるんじゃない?そんなの全員相手にしてたら、結婚してるからダメとかっていう感覚が麻痺しちゃうんだと思う。人間、昔のままじゃいられないんだってば。
先輩も、もう少年じゃないの、『男』なの」
「そう…よね」
真梨子の言うこともわかる。
だけど、あの雨の夜。
ネックレスをつけようと、首に手をまわしてくれた亮二の目が忘れられない。
哀しそうに揺れたあの瞳が。
「あ~!」
吹っ切れる様子がない博子を見て、再度真梨子は頭をかきむしった。
「もうこうなったら、直接確かめれば?」
「確かめる?何を?」
唐突な言葉に博子は思わず聞き返す。
「だから、もう一回会えばいいじゃない。新明先輩だって後悔してるかもしれないでしょ。
ほら、男の人って嫌なこととかあったら、カッとなって違う場面でそれを発散させたりするじゃない。その時がそうだったのかもしれないし。本心だったのかどうか、確かめたら?」
「そう?」
「そうよ。もっといろんな男を経験すべきだったのよ。世の中にはもっといい男がいっぱいいるんだから」
「やだ、そんな言い方やめてよ」
博子は笑うと、コーヒーをすする。
「博子さぁ、達也先輩が初めての人でしょ?」
うつむく博子に真梨子は小声で言った。
「いまどき珍しいよね、初体験の相手と結婚するなんて」
「別に悪いことじゃないと思うけど」
少しムッとした表情で言い返す。
真梨子は、まぁまぁとなだめるかのようにうなずくと、手土産に持ってきたマカロンを一つ口に放り込んだ。
「ま、話がちょっとそれたけど、要は新明先輩だって男なんだから、そういう関係になりたいって思うのは当然じゃない?ってことよ」
「私結婚してるのに?」
「あ~これだから恋愛経験の少ない子は!」
真梨子は頭をかきむしった。
「そもそも、倫理観のある人なら暴力団なんかには入ってないわよ。あのルックスだと言い寄ってくる女もたくさんいるんじゃない?そんなの全員相手にしてたら、結婚してるからダメとかっていう感覚が麻痺しちゃうんだと思う。人間、昔のままじゃいられないんだってば。
先輩も、もう少年じゃないの、『男』なの」
「そう…よね」
真梨子の言うこともわかる。
だけど、あの雨の夜。
ネックレスをつけようと、首に手をまわしてくれた亮二の目が忘れられない。
哀しそうに揺れたあの瞳が。
「あ~!」
吹っ切れる様子がない博子を見て、再度真梨子は頭をかきむしった。
「もうこうなったら、直接確かめれば?」
「確かめる?何を?」
唐突な言葉に博子は思わず聞き返す。
「だから、もう一回会えばいいじゃない。新明先輩だって後悔してるかもしれないでしょ。
ほら、男の人って嫌なこととかあったら、カッとなって違う場面でそれを発散させたりするじゃない。その時がそうだったのかもしれないし。本心だったのかどうか、確かめたら?」


