腹に響くようなエンジン音が聞こえる。
近づくと、十数台のバイクのまわりに、大勢の若い男女がたむろしていた。
「おい、おまえ、ジロジロ見てんじゃねぇぞ」
あどけなさの残る金髪の少年が、こちらを見ながら近づいてくる。
「あ、あのっ、亮二さんという人は…」
「あ?!亮二さんに何の用なんだよ」
直人はその少年に胸ぐらをつかまれた。
恐怖で顔が歪む。
「やめろ、浩介」
聞き覚えのある声がして、ふっと胸元の力が緩んだ。
「亮二さん、すいません」
黒いダウンジャケット姿の男がこちらへ歩いて来た。
「おまえか」
「あ、あのっ」
直人は突然土下座をした。
「俺を使ってください!!パシリでもなんでもやりますから!」
辺りが静まり返る。
「パシリ?」
金髪の少年が聞き返した次の瞬間、大きな笑いが起こった。
「だせぇ!いつの時代だよ、パシリ。マジ笑える!」
直人は恥ずかしさをこらえながら亮二を見上げた。だが、彼だけは笑っていなかった。
真剣な顔でこちらを見ている。
「おまえみたいなガキが来るとこじゃねぇぞ」
静かに彼は言った。
「お願いします!俺、もう行くところがないんです。お願いします!」
地面に額がつくほど、直人は頭を下げた。
しばらくの間、冷たい視線が突き刺さる。
「…バカが、勝手にしろ」
亮二はそう言うと、みんなに合図をした。
するとバイクが一斉にエンジン音をとどろかせる。
「浩介、おまえがこいつの面倒みろ」
「えっ!ちょっとそんな…勘弁してくださいよぉ、亮二さん」
直人はこうして暴走族の一員となった。
そんな直人の面倒をみるように言われたのが、金髪頭の坂井浩介だった。
彼も直人と同級生だった。
実家は何代も続く大病院。
ゆくゆくは二人の兄とその病院を任せようと、親たちはやっきになって浩介を塾に通わせた。
しかし、浩介はそんなことより機械いじりが得意で好きだった。
時計やラジコンを分解しては、どういった仕組みで動いているのかを調べるのが楽しくてたまらない。
小学生高学年にもなると、親は有名私立中学の受験を考え始め、ますます勉強を浩介に強いるようになった。
近づくと、十数台のバイクのまわりに、大勢の若い男女がたむろしていた。
「おい、おまえ、ジロジロ見てんじゃねぇぞ」
あどけなさの残る金髪の少年が、こちらを見ながら近づいてくる。
「あ、あのっ、亮二さんという人は…」
「あ?!亮二さんに何の用なんだよ」
直人はその少年に胸ぐらをつかまれた。
恐怖で顔が歪む。
「やめろ、浩介」
聞き覚えのある声がして、ふっと胸元の力が緩んだ。
「亮二さん、すいません」
黒いダウンジャケット姿の男がこちらへ歩いて来た。
「おまえか」
「あ、あのっ」
直人は突然土下座をした。
「俺を使ってください!!パシリでもなんでもやりますから!」
辺りが静まり返る。
「パシリ?」
金髪の少年が聞き返した次の瞬間、大きな笑いが起こった。
「だせぇ!いつの時代だよ、パシリ。マジ笑える!」
直人は恥ずかしさをこらえながら亮二を見上げた。だが、彼だけは笑っていなかった。
真剣な顔でこちらを見ている。
「おまえみたいなガキが来るとこじゃねぇぞ」
静かに彼は言った。
「お願いします!俺、もう行くところがないんです。お願いします!」
地面に額がつくほど、直人は頭を下げた。
しばらくの間、冷たい視線が突き刺さる。
「…バカが、勝手にしろ」
亮二はそう言うと、みんなに合図をした。
するとバイクが一斉にエンジン音をとどろかせる。
「浩介、おまえがこいつの面倒みろ」
「えっ!ちょっとそんな…勘弁してくださいよぉ、亮二さん」
直人はこうして暴走族の一員となった。
そんな直人の面倒をみるように言われたのが、金髪頭の坂井浩介だった。
彼も直人と同級生だった。
実家は何代も続く大病院。
ゆくゆくは二人の兄とその病院を任せようと、親たちはやっきになって浩介を塾に通わせた。
しかし、浩介はそんなことより機械いじりが得意で好きだった。
時計やラジコンを分解しては、どういった仕組みで動いているのかを調べるのが楽しくてたまらない。
小学生高学年にもなると、親は有名私立中学の受験を考え始め、ますます勉強を浩介に強いるようになった。


