戒さんと口を利かずに、彼がうちに気軽にうちに来ることもなくなって三ヶ月が過ぎた。


ある日母さんがにこにこ顔で、戒さんと鞠菜の婚約が決まったと話した。


「はぁ!?」


晩御飯―――それも俺の大好物のさんまの塩焼きを食べていた頃、妙に明るく言った母さんの言葉に俺は仰天した。


そう言えば鞠菜はこのところ留守がちだった。今日も俺は鞠菜抜きの、母さんと二人の食事だった。


「な、何で?鞠菜はまだ14やで?戒さんかて15や。結婚できひんやないか」


「将来的に、て言う話や。鈴音姐さんも二人のことえっらい喜んでいはってな。かなり乗り気なんよ」


ちょっと待て。


何でそーなるの。


鞠菜は……明らかに戒さんに好意を寄せていたが、戒さんは………?




そんなことをもやもやと考えながらも、一ヶ月が経ち、


喧嘩をしてから始めて四ヵ月後に戒さんは俺の家にやって来た。


「よぉ」


まるで何事もなかったかのように。


「どうしたんです?今日は…また家出ですか?」


「そないなせこいもんじゃない」


戒さんはいししと笑った。


「国外逃亡や。俺、アメリカ行くことになってん」


国外逃亡―――






スケールでかっ!!