ーヴーッ ヴーッ


ケータイが震えて、着信を知らせるLEDライトと共に点滅する、“遠山 毅彦”の文字。

タケ先輩からの、予告通りの電話だった。


どうしよう…。

本当にかかってきちゃった!!!!


「も、もももっ…もしもしっ!!」

うわ!!物凄いどもった…!!!!

『くくく…薫ちゃん超どもってるし』

「だ、だって…!!」


昼間に希にあんな事言われちゃったら、緊張せずにはいられないでしょ!?


『まぁ…俺も結構緊張してんだけどな』

「ほぇ??」

『何でもねぇよ、お姫様??』

「あ!!タケ先輩、今完全にあたしの事、馬鹿にしましたねー!?」

『してないしてない♪』


…いや、どう考えてもしてるでしょ。


「あたし超傷つきました!!」

『本当かぁ??絶対笑ってんだろ!?』

「笑ってませんー!!号泣です!!!!」


小さな嘘。

本当はタケ先輩の軽さが心地よくて、ニヤけてる。