あの不思議な胸の鼓動を聞いてからというものの、あたしと日浦くんの距離が変わる事は決してなかった。


“薫、メシ行くぞ”

昼休みに、日浦くんに食堂に連れていかれて、必ずあたしが頼んでたものと違うものをあたしに食べさせる。


そして、猫舌なあたしの反応を見て大喜びする。


…小学生か!!


それにしても、あの日浦くんの突然の言葉が頭から離れない。

あたしの頭を簡単に支配する。


…お世辞だってわかってるけど……。


心のどこかで喜んでたあたしがいたんだ。