だから私は、海の家を目指しつつ、走って人の波に隠れようとした。



「まぁ待てって!」



しかし止められた。

汗でビタビタな手で止められた。

…キモい;;



「ここじゃ不味いから来いよ」



…どこに?

てか、肩に手を回さないで!

水着になってた事を後悔。



「汚い手で触らないでッ!!」



異常なまでに溢れてる汗。

汗臭いし、本当にヤダ。



「ざけんなよ?お゛いっ!」



…ふざけてないし。

私は息を吸い込んだ。



「き……」



「僕の女に何かよう?」



…だ、誰!?;;

私は紀斗さんを呼ぼうとしたのに、黄色いポロシャツに、青い海パンを男の人に抱き締められた。