ガラにもないことは、
やっぱ言うべきじゃない。



そんな後悔をひしひしと
感じながら『じゃあね』と
言葉を残し、逃げるように
教室を飛び出した。



自分の教室に戻ると、
近くにいた奈緒が声を
かけてくる。



「遅かったじゃん、花琳。

ギリギリだよ〜」



「あ、う、うん………」



まだ頬がカッカと熱い。



とっさに顔をそむける
ように席についたけど、
奈緒は目ざとかった。



「………ん? どうしたの、
顔赤いけど」



「な、何でもないよ……!」


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