「先生……どうして……!?」



『どうして来たの?』って
聞きたかったのに、ノドが
カラカラでうまく声が
出なかった。



でも先生は察してくれた
らしくて、目を細め、少し
だけ口元をゆるめた優しい
表情を見せる。



「だって、呼んだだろう?

――聞こえたからだよ。
オレを呼ぶ音が。

そしてきっと……穂乃花
にも、届いたと思う」



「先生…………」



呆然と呟くあたしの前で。



先生はようやく、泣きそうな
笑顔で、フワリと笑った――…。





     * * *


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