「……………っ!?」



弾かれたように立ち上がって、
あたしは音の方向を見た。



視線の先、音楽室の
ドアに、背中をもたせ
かけて立ってたのは。



―――今まさにあたしが
会いたいと願っていた、
その人だった。



「く……ずみ、先生………!」



「―――まいったよ。

とんでもないな、君は」



久住先生は拍手をスッと
納め、ゆっくりと一歩前に出る。



「最高のカノンを聴かせて
もらったよ。

やっぱり君は穂乃花の妹……
いや、もしかしたら
それ以上かもしれないね」


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