「オレは今でも、あの時
あの人の心を動かせなかった
ことを――
あの人を救えなかった
ことを、悔いている。
もう何年もたつのに、ずっと
引きずったままなんだ……」
「せ……んせい………」
思わず呼びかけると、
先生はチラリとあたしを見た。
そして滅多に見せない
自虐的な笑みを頬に張りつけて、
「オレは最初から、心の
どこかで君とその人を
重ねてたのかもしれない。
君と彼女は違うって
わかってる。
けど――君にピアノを取り
戻させることで、少しでも
過去の罪ほろぼしをした
気になりたかったのかも……」
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あの人の心を動かせなかった
ことを――
あの人を救えなかった
ことを、悔いている。
もう何年もたつのに、ずっと
引きずったままなんだ……」
「せ……んせい………」
思わず呼びかけると、
先生はチラリとあたしを見た。
そして滅多に見せない
自虐的な笑みを頬に張りつけて、
「オレは最初から、心の
どこかで君とその人を
重ねてたのかもしれない。
君と彼女は違うって
わかってる。
けど――君にピアノを取り
戻させることで、少しでも
過去の罪ほろぼしをした
気になりたかったのかも……」
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