《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜

「だけどその人はあることが
きっかけで、ピアノを
弾かなくなってしまったんだ。

オレは何とかピアノを――
いや、彼女の音を取り戻して
欲しくて、必死で説得した。

だけどとうとう、オレの
気持ちは通じなくて。

結局オレ達は、物別れに
なってしまったんだ……」



寂しげに細められる目。



あたしも全身を走る驚きと
切なさに、思わずグッと
手を握り締めた。




………先生、今、“彼女”
って言った。



先生………


その女の人は、もしかして――?



_