* * *



文化祭も無事終わって、
また数日が過ぎた。


風は一段と冷たくなって、
いよいよ本格的な冬の
始まりを告げてる。




あたしの家で過ごす時間は
相変わらずだった。



お母さんは主婦業はしつつも
いつも暗い瞳をしてるし、
お父さんはそんなお母さんに
気を遣って、あたしには
よそよそしい。


でも引っ越しの件を諦めて
ないのは、態度でわかった。





――居心地の悪い家庭。



だけどその中にいながらも、
あたしの心の中だけは、
前と少し違う。


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