《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜

「ピアノの話をしてる時の
活き活きさが、すっかり
消えちゃってる。

……どうした? 
何か、あったのかい?」



「……………!」



今久しぶりに会ったばかりで、
もちろん何も話してないのに。


どうして、先生にはそれが
わかるの――…?



「オレでよかったら聞くよ。

一応オレ、先生だし」



わざとおどけた口調で
ニコリと笑う。

そのどこまでも優しい
笑顔に、胸が締めつけられた。



(ズルいな、先生。そんな
笑顔……)



廊下の外の喧騒が、フッと
遠退いた気がした。


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