《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜

今日はどうして来たのかとか、
どうして弾いてるのかとか。


そんなことはもう、お互い
一言も聞かない。



ただそこで先生のピアノを
聴きながら、この曲は
いいねとかどういう所が
好きだとか、そんな
たわいない会話をして……


そうして数曲の演奏が
終われば、あたしは来た
時と同じようにコッソリと
音楽室を出て、帰る。



あたしが出る時には先生も
片付けを始めてるから、
少し後に彼も音楽室を
出てるんだろう。



そんなことを数回――そう、
10回にも満たないほど
何度か、繰り返しただけ。


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