私は出しかけた手を引っ込める。

「何故じゃ瑠璃!」

刹那は悲しそうな顔をしている。

「っごめんなさい!私真珠さんを見捨てられない!」

「瑠璃!」

刹那が切羽詰ったような瞳でこちらを見つめてくる。

ああ。

今すぐあなたの胸に飛び込みたい。

でもね、出来ないよ。

そして私は来た道を走って戻る。

すると私が出た瞬間夢の道は消える。