「俺の名前は泉里(せんり)。」

「泉里・・・?」

「ああ、そうだよ。」

「私を攫ったのはあなたね?」


私は夢さんと話していて帰ろうとしたとき、誰かに不意に手を捕まれてそのまま気を失ってしまった。

「そうだよ。神社では狐に邪魔されてしまったけれどね。君の霊力を感じてあそこに行ってみたんだ。そしたら瑠璃がいたんだよ。」

綺麗に微笑んでみせる。

「っ私を元の世界に返して!」

「元の世界って元々君はここに住んでいたんだよ?」

「え?あなたなにを言ってるの?」

「君は真珠の生まれ変わりだよ。」

「真珠・・・?」

「そう。俺が愛した唯一の女性だ。まだ思い出せない?」

切なそうに微笑む。

「なにを言ってるの?私はその真珠さんという女性の生まれ変わりじゃないわ!」

「いいや。覚えていないだけだよ。そのピンクの瞳、その愛らしい容貌。まさに真珠そのものだよ。」

「でも私は瑠璃よ。」

「きっとここに居れば思い出せるよ。」

「いいえ!私は帰るわ!」

そういって襖からとびだした。