なにやら恫喝めいたものが えんえんと聞こえてはいるが、 うかつに手は出せない。 何か起きない限り、 ここはうまく動き出せない—— こんなところで、 小回りの利かぬ組織の弱点を まんまと浮き彫りにされていた。 「灘さん!」 ひとりの警官が公衆便所の中に こもっていた灘を急きたてていた。