そんな事を思っていると円が何かに気付いたらしく、こっちをじーっと見てくる。


『…?何、どしたのさ。』

聞くと、円は口を動かし口内にある物をゴクン、と飲み込んだ。そして眉を寄せた。


「食べないんですか?」

スッと指があたしの下の方に向けられ後を追う様に見ればそこには、全然進んでいないあたしの皿に乗ったおかず達。


「口に、合いませんでしたか?」

すると、悲しそうな顔で聞いてきた。

あたしは焦って言葉を探した。


『ち、違うよ!これめちゃくちゃおいしいから!!』

下手したらあたしのより。


「じゃあ何故です?……もしや体調が悪いとか…。」

「えー?真冬だいじょうぶー?」

話を聞いてか、ラルにまで言われた。



『大丈夫っ!食べ、れるよこのくらい。』


本当はもう限界迎えてますけどネ……。




それからは、パクパクと無理やりにでも自分の胃の中へ押し込めた。











『ゴチソーサン…美味しかったよ。……うぷっ』


苦しくて、苦笑いしか出ませんでした。



((可哀想に……南無。))


と我が友とそのオマケに心の中で合掌されて、哀れむ様な目で見られていたことは、あたしは知らずに、襲いかかる吐き気と戦っていた―――。






「あ、デザートもありますよ。」