そうして三人で仕事を開始して15分も経ったか経たないか、と言うとき
「あっれ~!皆さん休日出勤ですかぁ?」
と、二村が出勤してわざとらしく俺たちのブースに顔を出す。
社会人としての礼儀と言うことで一応は「おはよ」と、しかしそっけなく返し、残りの二人も「おはようございます」と答えていた。
「佐々木さん~昨日は楽しかったですね!料理すっごく美味しくて俺感動しちゃいました!
柏木さんとは、入れ違いになっちゃったね」と瑠華の方を目配せして二村は笑う。
入れ違い―――……
「びっくりしちゃいました。リムジンを見るの初めてで。でも……部長は来なかったんですか?あ!それとももしかして柏木さんと抜け出しました??」と二村が意地悪く聞いてきた―――
が―――と言うことは、マックスの存在を二村は気付いてないってことか。
それにほっとしたのも束の間
「いえ、部長はもっと前に…」佐々木が言い出したのを遮るように、俺は
ダンっ!!
デスクに強く手のひらを打ち付け立ち上がった。
これには流石の二村も、そして瑠華も……佐々木も驚いたようだ。
「失せろ」
小さく低く言うと、
「え?」と二村が耳に手をやり聞き返してくる。
「失せろって言ったんだ!聞こえなかったンか!!」
俺は思わず二村の胸倉を掴んでいた。
しん、と鎮まりかえったフロアに俺の怒声だけが響いた。
流石に瑠華と佐々木は驚いた様子で、「「部長っ!!」」と二人がかりで俺を二村から引きはがそうとする。
勿論、二人に抵抗する気はなかった。
大人しく手を離すと
二村も流石に俺がここまで怒鳴るとは思っていなかったのか大きな目を開いて驚いていた。
「殺されたくなきゃ、自分のシマに戻ってろ」捨て台詞のように吐き捨て、それでもめげずに二村は
「何か……今日の部長機嫌悪いんですかね」と佐々木に問いかけてる。
佐々木も律儀に「さぁ…さっきまでは普通だったんですが…」と答えていて
「佐々木」俺が呼び止めると、佐々木はビクリと肩を震わせ
「すみませっ…!」慌てて席に腰を下ろす。
二村も、流石にこの場に来ての俺の暴挙は予想もしてなかったのかすごすごと隣のブースに帰って行った。



