Fahrenheit -華氏- Ⅱ


そのカオスの中、唯一光輝くオーラに包まれている、瑠華とマックス。


そこだけ別世界のように見える。


傍目から見たら申し分のないカップルだ。俺は瑠華のドレス姿を見て、マックスが瑠華に一目惚れした、と言うのが頷けた。


それぐらい―――瑠華は
輝いている。


美しい。


俺はどうにも瑠華とマックスが何を話しているのか気になってしょうがない。


瑠華はしかめっ面を浮かべながらも一応はマックスの取り分けた料理を食べながら…と言ってもほとんど飲む方に専念しているようでグラスをとっかえひっかえ、反対にマックスの方は何やら楽しそうに瑠華に喋りかけている。


そのうちゆるやかに流れていたBGMがゆるりとしたワルツ向けのBGMになった。


あの有名なディズニーの「美女と野獣」だ。


「Hey,Ruka,Let's dance.((踊ろう)」と言い出したマックスの言葉が聞こえ


「Huh? Me and you dancing?(はぁ?あたしがあんたとダンス?)」と思いっきり顔をしかめたが、それでもめげずにマックスはやや強引と言える仕草で瑠華の手を引くと、彼女の傾いた体をそれはそれはスマートに腰に手をやってホールド。


思わず抱き寄せられた瑠華が背を逸らす。二人はしばし見つめあっていた。


申し合わせたわけじゃないのに完璧なポジションだ。


音楽の流れに乗って、マックスが手を引き、仕方なく…と言う具合か、或は流れ的な?空気を読む??そんな感じで瑠華もマックスの手に重ねた。


二人は一旦離れると、向かい合って互いにお辞儀。マックスは恭しくお辞儀を、瑠華はドレスの裾を両手で持ち、深く腰を折る。それがワルツの始まりなのだろう。


それから互いが互いに手を取り、間隔を開けながらもゆっくりと歩く。