Fahrenheit -華氏- Ⅱ


しゃ、写真で見るよりイケメンじゃねぇか!!


マックスはフォーマルスーツとはいかないまでも、それなりに洒落たスーツを着ていた。それだけなのに、華やかなオーラが全身から発せられている。


女なら誰もが振り返るような―――


瑠華の隣に立っている自分が恥ずかしくなるぐらいだ。


思わず足が竦んだ。


だが、


「Max, why are you here?(マックス、何故あなたがここに?)」瑠華はさっきの無表情から一転、明らかに不機嫌そうに腕を組み顔をしかめた。


こんなイケメンを前に瑠華は全く動じない、と言うかかなり不機嫌だ。


「I heard from Coco.(ココから聞いた)」


「I knew it.(やっぱり)」瑠華は不機嫌に拍車を掛けて、額に手を当て、再び「Darn it! 」と小さく舌打ち。


「You look beautiful, Ruka. You haven't changed at.(瑠華、すごくきれいだ。君は全く変わらないね)」


「You haven't changed a bit, Max. When I look at you, I want to knock that side of your face off.(あなたもね、マックス。あんたの顔を見ると、その横面、張り倒してやりたいわ)」


「な、何を言ってるんですか?二人は顔見知りですか?」


白黒の太いボーダーのスウェット?…桐島の勧め通り囚人?のコスプレなのか佐々木が俺の袖を引っ張ってこそっと聞いてくる。


「知らない方がいいぜ?」俺は苦笑。


「柏木さんの元カレだろ?あんなイケメン何で振った……振られた?ま、どっちでもいいけど」(何で啓人に行った?)と続けたかったに違いない、と裕二は顎に手を当て、目を細めながらお似合いの二人をしげしげと眺めている。


「元カレ!?振った!?」と事情を知らない佐々木が目を丸めている。


「男女には事情ってのもあるのよ」綾子が裕二と同じように顎に手を置いて目を細める。


「でも、柏木さん…明らかに不機嫌そうですよね。元カレとはあまりいい別れじゃなかったんですかね…」と佐々木が心配そうに瑠華を見つめている。


まぁ、不機嫌には変わりないよな……


しかも『あまり』じゃなく『最悪』に悪い別れ方だ。