Fahrenheit -華氏- Ⅱ


次の日、俺はほぼ予定通り15時半に瑠華のマンションに車を付けた。


地下駐車場のエントランスコーチで瑠華と心音ちゃんはすでに待機していて、大きなスーツケースを持った心音ちゃんが最初に気づき、手をぶんぶん振っている。


心音ちゃんのスーツケースをトランクに詰め込み……てか相変わらず重いな…


俺たちは羽田空港に向かった。


首都高速がすいていたって言うのもある、15分で羽田の第三ターミナルに到着できた。


心音ちゃんは空港でお土産を買うと言うことで、すぐにチェックインはせず、俺は4階のレストランやカフェ、土産物屋が連なるフロアに案内した。


とりあえず、と言った感じで手近にあった和風茶屋と言った感じの落ち着いた佇まいのカフェに入る。


カフェは心音ちゃんと同様大きなスーツケースを持った、日本人は勿論のこと、多くの外国人で賑わっていた。


「ねぇねぇ、抹茶ラテって美味しい?」とメニューを開いて心音ちゃんは瑠華に見せていて


「さぁ、飲んだことないから。でも頼んでみたら?あたしはホットコーヒーだけど、心音が気に入らなかったのなら取り替えてあげる」


「ホント~♪ありがと、瑠華」と心音ちゃんは瑠華をぎゅっと抱きしめる。


ああ、くそっ!心音ちゃんが羨ましい!


俺だって外でハグとかあんまさせてくれないのに!


と、変な闘争心を燃やしたところでどうにもならない。



二人には―――


歴史がある。



そして二人は同じ憎悪を抱いている。


ヴァレンタインに対して―――



その心が一段と二人を強く結びつけているのか、普通なら変に勘ぐらないのに、一々気になる。