迷惑ついでに、俺は裕二の部屋に泊めてもらうことになった。
「お前の迷惑は慣れっこだよ、まぁ俺もお前にかなり迷惑かけたけどな」
裕二は苦笑しながらも寝室に入っていこうとした。
俺はソファに収まりきらない脚を投げ出し、裕二が貸してくれたブランケットを身体に掛けながら両腕を頭の後ろで組んだ。
「お互いさまだ?」
裕二は寝室に入っていったが、思い直ったようにちょっとだけ顏を出すと
「あのサ、何があったか分かんねぇけど、これだけは言っておく。てかアドバイス的な?」
と目を細めた。
「何?」俺は寝転がったまま目だけを上げた。
「柏木さんさ、最初は顔が好みで、すっげぇ可愛いし、一発ヤれれば…て性の対象にしか見てなかった」
「それは俺も同感だ。だから怒らない」
「でもさ、実はすっげぇ冷たくて、怖くて、何でお前が柏木さんに溺れてるのか分からなかった」
冷たくて、怖い……も否めない。
溺れてることも事実だ。
「何?溺れ死にする前に引き返せってか?」とちょっと目を吊り上げると
「いや、その逆。あのひとさ、すっげぇ強くて、でも同時にすっげぇ優しくて、
あんなイイ女、早々いるもんじゃねぇし、手放すんじゃねぇぞ。って話。
啓人、どんなことがあろうと―――
柏木さんを手放すなよ」
裕二の言葉に俺は目を開いた。
俺が何か言い返す言葉を待たずして、裕二は寝室に入って行った。
裕二は―――何か気付いたのだろうか。



