Fahrenheit -華氏- Ⅱ



二村はタブレット端末を巧みに操り


「ここ、見てください。殆ど見落としてしまいますが、小さなURLが添付されているでしょう?」


二村が指さした場所に確かに目を凝らしてみないと分からない程度に小さなURLが掲載されている。


「ここをクリックすると」


二村はさらにカーソルを移動させ、その場所をクリックすると


黒い背景に「Special auction club」と金の文字で、いかにも怪し気なベネチアンマスクが浮かび上がった。


スペシャルオークションクラブ?


俺は困惑して、思わず二村を仰いだ。


「調べた所、このスペシャル オークションクラブは全世界のあらゆる富豪たちの完全会員制で、ここに登録すると、あらゆる“黒い”オークションに参加できるみたいですね」


黒いオークション…


「この怪しげなクラブは、彼らが脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)、その他違法行為を行うクラブで、会員はIDとPWが無いと入れない」


何故、桂林のリゾート地のHPにこんなクラブを誘導するURLが載っている…


「お前はIDとPWを入手したのか?どうやって?」と目を上げて聞くと


「そこもコネですよ♪」と二村はベネチアンマスクと同じように不気味な笑顔を浮かべた。「情報元は教えられません」


「しー」と言って唇に人差し指を置き、


タブレット端末を自分の方へ向けると、恐らくIDとPWを入力しているのだろう、それが終わったのか俺の方へ再び見せてきて、最初に目に飛び込んできたのは



Originator and Facilitator:Ruka Kashiwagi(Japan)



と言う文字を見て、俺は目を開いた。





「提案者と進行役―――



瑠華 柏木」






嘘――――




だろ。